著者はいう。「地球規模での新しい宗教戦争の危険にさらされている現代世界において,「寛容主義」としてのリベラリズムの必要性はますます増大しているが、その必要性に答えるためには,普遍的真理への熱い思いを胸に各国・各文化の伝統的価値の積極的継承をはかる,自由保守主義あるいは保守的自由主義としてリベラリズムを再構築するほかはない」(本書301頁)
なお、本書は、2008年12月28 日付『中日・東京新聞』読書面「2008私の3冊」欄にて、中島岳志氏(北海道大学准教授)に「「保守」論理が空洞化する中、著者のような粘り強い思考こそが必要とされている」と,取り上げていただきました。
刊行日 2009年5月24日
サイズ 130mm×188mm
目次
序論 「自由」を巡る状況
第一章 リベラリズムへの問い
1I.バーリン
2F.A.ハイエク
3その後のリベラリズム
第二章 近代の自由と古代の自由
1アダム・スミスにおける「富」と「徳」
2シヴィック・ヒューマニズム
3ポリスと「運命の女神」
4中間総括
第三章 保守主義による自由の援護
1マイケル・ポランニーのリベラリズム
2E.バークへ、そしてE.バークから
結論 リベラリズムの再構築??自由保守主義の可能性
著者略歴
佐藤光(さとう ひかる)
1949年生まれ。東京大学大学院経済学研究科博士課程中退。経済学博士。京都大学経済研究科助手などを経て、現在大阪市立大学研究科教授。
主な著書
『カール・ポランニーの社会哲学』(ミネルヴァ書房、2006年)
『柳田国男の政治経済学』(世界思想社、2000年)ほか。
販売情報・他